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平良 敏子

重要無形文化財保持者
人間国宝平良たいら 敏子としこ

第二次世界大戦後、沖縄で途絶えつつあった芭蕉布づくりを工芸にまで高めたのが、人間国宝として知られる、沖縄の大宜味村・喜如嘉の平良敏子さんです。敏子さんは、1944年には本土の工場で働く「女子挺身隊」に参加。そこで、民藝運動に熱心だった倉敷紡績工場の大原総一郎社長が敏子さんらに織物を学ぶ機会を与えてくれました。それにより、芭蕉布の伝統は途絶えることなく、その技術と想いを守り続けることができたのです。

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略歴

1920年(大正9年)

2月沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉に生まれる

1946年(昭和21年)

1月岡山県倉敷市にて外村吉之介に師事

11月喜如嘉に戻る

1960年(昭和35年)

6月喜如嘉区長、農業産業共進会より芭蕉布生産に対する感謝状を受ける

1963年(昭和38年)

8月本格的な芭蕉布織物工房を開く

1969年(昭和44年)

5月大宜味村長より表彰される

1972年(昭和47年)

11月県指定無形文化財「芭蕉布」の保持者として認定

1793年(昭和48年)

11月労働大臣より卓越技能賞を受賞(現代の名工)

1974年(昭和49年)

4月喜如嘉の芭蕉布保存会の代表となる
「喜如嘉の芭蕉布」が国の重要無形文化財に認定される

1976年(昭和51年)

4月文化庁より表彰状を受ける

1980年(昭和55年)

9月日本工芸会の正会員に推挙される

11月黄綬褒章を授与

2000年(平成12年)

重要無形文化財保持者として認定される(人間国宝)

2002年(平成14年)

勲四等宝冠賞を授与

2016年(平成28年)

ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館に平良の制作した芭蕉布の着物が収蔵される

2021年(令和3年)

現在百歳を迎えたが、なお喜如嘉の芭蕉布会館に通い現役で芭蕉布制作に携わる

芭蕉布ばしょうふとは

芭蕉布は、沖縄本島の北部に位置する大宜味(おおぎみ)村の喜如嘉(きじょか)を中心に作られる織物です。
バナナ(実芭蕉)の仲間である糸芭蕉(イトバショウ)の繊維を用いて、糸芭蕉の栽培から生地の仕上げまで全てを地元で手作業で行う稀有な工芸品となっています。
琉球王国の時代から、王族がその着物を身につけた他、中国(清王朝)や日本(徳川家)への最上の貢ぎ物として扱われていました。また、庶民の着物としてもなくてはならない着物でした。涼をはらんださわやかな着心地は、高温多湿な気候での暮らしを快適にし、普段着から晴れ着まで場所を選ばず着用されてきました。
芭蕉布は県の無形文化財に、また「喜如嘉の芭蕉布」の名で国の重要無形文化財、経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されている。

芭蕉布

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